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「ふっざけんなよ!」
ガシャン、と机がひっくり返る音が教室に響いた。
浜岸先輩が怒りを露わにした顔でドスンと椅子に座る。いつもならうるさい、と話しかける蒔田先輩も、沈んだ顔で黙ったままだ。
……でも、それも無理はない。
私も、なにかを口にできるような状況じゃない。大和くんも、鷲尾先輩も、他の先輩も、ずっと口を閉ざしている。
生徒指導室に、連れてこられた私たちは、浜岸先輩の文句以外誰もなにもしゃべらなかった。
教頭先生と生徒指導の先生は、無言で私たちの腕を掴み、ここに私たちを置いてどこかに行ってしまった。
険しい顔をしていたけれど、なにも言われなかったことが余計に重い気分にさせる。
ここから逃げ出したい気持ちにも襲われるけれど、外からしっかりと鍵をかけられてしまった。内側からは鍵がないと開けられない。
やっぱり。
やっぱり、会長が……。
どうして、そんなことをしたんだろう。
今まで一緒に話をしてきて計画を立ててきたのに……。
やっぱり、ずっと私たちのやろうとしていることを間違っていると思っていたんだろうか。だとしても、なんでこんな直前に。なんで、もっと早くにみんなと話をしてくれなかったんだろう。
計画が実行できなくて悲しい。
その気持ちは間違いなくある。
けれど、今はそんなことよりも……会長はどうして、こんなことをしたんだろうと、そればかりだ。
ほんの少し、みんなの関係は近づいたんだと、思っていた。
悔しくて、涙が出そうになってしまう。
それを必死にこらえて、机の上で両手をぎゅうっと握りしめた。