でも、そんな驚きは………ほんの序の口だった。



ページをめくるたびに現れるのは、どれも若い顔ばかり。


ほとんどが20歳前後だったのだ。



今で言えば、大学二年生。


成人式を迎える年。


就活さえ始まっていない。



人生これから、というか、まだ何も決まっていないと言ってもいいくらいの年齢。



なんで、こんなに若い人たちが、自分の命を犠牲にしてまで体当たりなんかしなきゃいけなかったんだ?


別に、年をとっていたら良いってわけでもないけど。



でも、死を覚悟して飛び立っていった彼らのあまりの若さに、俺は言葉も出なかった。




ショックを隠し切れないまま、俺はページをめくっていく。


顔写真のページが終わると、次は彼らの遺品の写真が並んでいた。



なんてことはない、筆記具やノート、読んでいた詩集や、身につけていたもの。



こんなものがまだ残っているんだ、という感動よりも大きかったのは、


彼らは生きて、普通に生活していた青年たちだったんだ、という思い。



やりきれなかった。