加納さんの言葉って、どうしてこんなにまっすぐに突き刺さるんだろう。



そう考えて、俺はなんとなく答えに思い当たった気がした。



加納さんは、嘘をついたり、言葉を飾ったりしないからだ。


女の子にしてはすごく口数が少ないけど、その分、無駄なことなどを口にしたりしない。



その静かで透明な眼差しで相手のことをじっと見つめて、自分の中でよく吟味した必要な言葉だけを言っているのだ。



だから、こんなにもまっすぐに心に響くんだ。




「………うん、がんばってるよ。

子供っぽいって笑われるかもしれないけどさ………俺、本気で、プロになりたいって思ってるから」




加納さんの飾らない言葉に、なんだか俺まで素直になって、そんなことを言ってしまった。


こんなの、誰にも言ったことないのに。


言ってからものすごく恥ずかしくなった。



でも、加納さんは笑ったりしなかった。




「子供っぽくなんかないよ。

夢があるってすごいことだもん。

ちゃんと努力して、それで見てる夢なんだから、誰も笑ったりたりできないよ」