「上手くいってよかったねぇ、有明くん」


陽より一足先に教室に戻ったあたしと星奈。


自分のことように喜ぶ星奈に、あたしも安堵の息をつきながら頷いた。


すると、ガラリとドアが開いて、ご本人が登場。


「おはよう、陽」


「おはようございます。朔乃先生、星奈さん。今日は二人共早いんですね」


挨拶を交わしたあと、陽が不思議そうにあたしと星奈を見る。


あたしは盗み見していたなんて言えなくて、思わず何も知らないふりで返す。


「た、たまには早く来て勉強しようと思って!ね、星奈!」


「うん、そう!」


「そうですか〜。あ!聞いてください!僕、天川さんとデートに行けることになりましたよー!」


にっこにこの、まさしく満面の笑みというものを浮かべながら、陽が先程のことを最初から事細かく報告してくれた。


「えー!? ほんとにっ!? やったね、陽!!」


最も、あたしも星奈も全部観てたから知ってるんだけどね。


「朔乃先生のおかげです!ほんとにほんとーにありがとうございます!」


「ふふっ、どういたしまして」


ここまで喜んでもらえると、あたしもいろいろと考えたかいがあるというものだ。