「あの、実は、こんな僕ですけど、す、好きな女の子がいまして……」
「誰っ!?」
有明陽みたいなタイプが好きになる女の子って、一体どんな子なのか。
そんな興味が飛び出してきて、ついついさっきの有明陽みたいに身を乗り出してしまった。
「え、それは、その……」
「さしずめ、あたしにその女の子を振り向かせる方法を教えて欲しいってことでしょ?だったら、相手の女の子がどんな人なのかもちろん知る必要がある!そのタイプに応じてのアタックの仕方というものがあるのだから!」
いかにもそれっぽいことを言ってやると、有明陽は素直なのか、信じてしまったらしく「なるほどです!」なんて目を輝かせる。
「それでは、恥ずかしいですが、発表させて頂きます……」
は、発表……!
なんて面白い発言をするんだ、有明陽は。
笑いをこらえつつ、あたしは有明陽の発表を心して待った。
が、いつになっても、その発表が始まらない。
「ちょっと。有明くん?」
「やっぱり、恥ずかしいです……!」
有明陽は、耳まで真っ赤にして、女子みたいに顔を両手で覆い隠してしまった。
「……はぁ、そんなんでよくあたしに頼んできたね」
「ご、ごめんなさい……。だって、如月さん、たくさんの男性とお付き合いしてると聞いたもので……」
だから、あたしにテクニックみたいなのを伝授して欲しい、と。
そういうことか……。