その日はもう遅くなっていたので、とりあえず解散となり、あたしは星奈と一緒に帰っていた。


「いきなりデートに誘うなんて、なかなか飛ばすね、朔乃」


「こうでもしないと、スローペースすぎて卒業するまでに決着つかないような気がして」


苦笑する星奈に、あたしはしれっと答える。


行動するのは陽だから、彼本人のペースも尊重したいところだけど、そうすると進展は亀よりも遅くなると思う。


陽の進路も天川さんの進路も知らないけど、卒業までには告白したほうがいいと思う。
せっかくなら早いところ結ばれて最後の高校生活の素敵な思い出を作ったほうがいいんじゃないか。


もし告白してダメだったとして、早めに振られておけば大学までに傷が癒えて引きずることもないだろうし。


とか、あたしなりにいろいろ考えた結果なんだけど、陽はわかってないだろうな。


「よく考えてるんだね、有明くんのこと」


「……まあ、引き受けたからにはちゃんとやらなきゃ」


何かを探るような星奈の言い方。
若干違和感を覚えつつ、かわしたつもり。


でも、やっぱりどうしたって星奈の目はごまかせない。