まあ、でも最終的に決めて行動するのは陽だから、無理強いはしない。
「どうする?陽」
陽は、しばらく考え込む。
無理だというなら、また別の方法を考えるまで。
あたしは最後まで精一杯協力するって決めたから。
「……わ、わかりました」
陽が静かに言った。
「僕、頑張ります!」
ガッツポーズをして、陽は気合十分といった様子。
それを見て、あたしは自然と笑顔になった。
「じゃあ、その方向で作戦を練るよ!」
「頑張って!有明くん!」
「はい!」
こうして、“連絡先を交換するついでにデートに誘っちゃえ作戦(星奈命名)”がスタートした。
デート場所とか、当日の振る舞い方など具体的なことはこれから決めていくとして。
まずは、天川さんをデートに誘うことが大事だ。
これができないと、何も始まらない。
「いい?『好きだ』って直接的な言葉を使っちゃダメ。相手が遠慮しちゃうし、告白は大事な場面でするべきだから。あくまで好意をある様子は見せつつ、確実にデートにOKさせるんだよ」
あたしの言葉に、陽が頭を抱える。
「そんな、確実にって言われても……」
「大丈夫。あたしに任せなさい!」
にんまりと笑って言うあたしに、陽は頭上にたくさんのはてなマークを浮かべたのが見て取れた。