「いざ連絡先を聞こうとすると、なんて切り出せばいいのかわからなくて……」
2週間前からの宿題ということは、木曜日の朝掃除の日が2回もあったわけであって、つまりは確実に2人きりになれるチャンスが最低2回はあったということ。
だというのに、このざまなのだ。
「もう!そんなんじゃダメだって何回も言ってるでしょ?」
「ううぅ……すみませぇん……」
陽のこのヘタレ気味な性格をわかってきてはいるので、女の子に自分から連絡先を交換するなんて高度な技、相当難しいのはわかっている。
でも、そんな調子じゃ何も進展しないんだから!
「さて、そんな陽のために、今日は協力な助っ人を呼んでいます」
「助っ人?」
首を傾げた直後、ガラッと教室のドアが開いて、ひとりの女子生徒が入ってきた。
「やっほー!有明くん!星奈ちゃんでーす♪」
顔の横でピースをしてポーズをとりながら登場してきたのは星奈。
陽は慌てて立ち上がり、頭を下げた。
「有明陽です!宜しくお願いします!」