「朔乃先生は何かしら男子と付き合い続ける理由がある。その理由は僕にはわからないけど、でも、誰彼構わず付き合っているわけではないんですよね。
自分のことを本気で好きでいてくれる人からの告白を断るのは、その人を傷つけたくないからで、触れさせないのは、本当は好きな人としかそういうことはできないから」


そうだ。


あたしが好きでもない男と付き合うのは、母がいないという孤独や寂しさを埋めるため。“彼氏”という存在に甘えるためなのだ。


だから、“本気のほう”の告白をしてくる人は断っていた。あたしのことを、ちゃんと好きになってくれたその人の気持ちを利用したくない。


でも、やっぱり好きな人とじゃないと、キスはしたくない。


だから、今までその信念は曲げずにきた。


「まあ、勝手な僕の考えなんですけど」


苦笑する陽。


「でも、きっと朔乃先生はそういう素敵な人なんだろうなって思ったから、僕の恋愛の先生をお願いしたんですよ」


そうだったんだ……。


すごく、嬉しかった。
あたしのことをこんなにもわかってくれていたなんて。


「陽っ……」