それからというもの、次の日から名取くんが毎日のようにあたしの前に現れるようになった。


挨拶だけして、名取くんから逃れようとしても、彼は本当にあたしを振り向かせるつもりなのか、やたらと話しかけてくるから困る。


ひどい時は、腕をつかんで引き止めてきたり、あたしの行く手を通せんぼして遮るのだ。


そして、今一番困っているのは、放課後。


陽との恋愛授業のために教室に残っていても、わざわざ他クラスからやってきた名取くんがあたしを廊下に呼び出して長話をしてくる。


まるで、あたしと陽を2人きりにさせないようにしているみたい。


なんとか話を切り上げようとしても、立て続けに話題を振られてしまう。


だからといって無視することもできないから、そのまま付き合っているとあっという間に日が暮れて、恋愛授業ができない日が何度かあって……。


最近では、あたしと名取くんの話が終わるのを陽に待ってもらうのは申し訳なくて、先に帰ってもらう日が続いていた。


告白された時は嬉しかったけど、これは少し……度を越しているように感じる。
カレカノでもないのに、まるで名取くんに束縛されているような気分。


さすがの星奈も「やりすぎ!もはや気持ち悪い!」と、明らかに嫌悪感を見せているぐらいだった。


そんなことが一週間ちょっと続いた、ある日のこと。