「どうせ教えてもらったんでしょ、有明くんに」


呆れ顔で言う星奈。


彼女には、例の恋愛授業のお礼代わりに、陽があたしの勉強を見てくれるようになったことも話してある。


でも、そうとはいえ、星奈にはどうやら全部お見通しらしい。やっぱり親友には叶わないや。


「ちなみに、今日は恋愛と勉強、どっちの日？」


「恋愛授業だから、あたしのが先生の日」


あのあと、放課後残っているのはやっぱり陽のためだからと陽と話し合って、勉強の日は毎週金曜日とテスト前とだけということになった。


それでも、週一で勉強を教えてもらえるのは本当に助かる。
大学受験の勉強も、自分だけではどうすればいいか正直困っていたところだったし。


まあ、今のところは授業の内容を理解することで精一杯だから、受験勉強に手が回るほどの余裕なんてないんだけど。


「そっか。有明くん、天川さんといい感じ？」


「うん。毎日あたし相手に女の子と話す特訓してるから」


この前見た感じと、陽本人から聞いた感じだと、木曜日の朝掃除でもゆっくり距離を縮められているみたいだ。