「見て見て、星奈〜!」
数日が経ち、化学の授業のあとの休み時間。
あたしは1枚のプリントを持って、ファッション雑誌を読んでいる親友のもとへ向かう。
「何?そんなニコニコしてどうしたの?」
「えへへ〜」
あたしはそれを得意げに掲げて見せた。
「さっき返された化学のテストじゃん……って、嘘!? 90点!?」
予想を上回る大きなリアクションをしてもらえて、あたしは上機嫌。
星奈の言った通りこのプリントは、この前やった化学の小テストで、さっき授業中に返却された。
点数を見て、まあびっくり。
今まで生きてきて一度も取ったことない点数が、赤字でプリントの隅に大きく記されていた。
あたしの頭レベルをよく知っている星奈に、これは早く報告せねばというわけで、今に至る。
「すごいじゃん、朔乃!やればできるんだね!」
「でしょでしょ〜? もっと褒めてくれていいのよ」
「調子に乗るな」
「ぎゃっ!」
あたしのドヤ顔が気に食わなかったのか、星奈は眉間にシワを寄せて、あたしの額にデコピンを一発。