「そういえばさ、朔乃が、別れてから3日も次の新しい男と付き合ってないのって、新記録じゃない?」


友達のうちの1人に突然そんなことを言われ、あたしは思わず押し黙ってしまった。


そうだったっけ?
あたしって、別れたら3日もしない間に、次の男と付き合い始めていたっけ?


自分のことながら、あまりよく思い出せない。


でも、誰かと別れてひとりになると、急に寂しさが込み上げてきて。


その度に、チャラチャラとした格好で街へと出ては、次から次へと言い寄ってくる男を捕まえ、拒むことはなかった。


そういえば、ハヤトと別れてから、一度もいつものナンパ待ちをする場所には行っていない。


寂しさがないわけではないんだけど、どうしてだろう……。


なんとなく、誰も座っていないのに陽の席のほうに目を向ける。


すると、そんなあたしの様子を見ていた友達が、「もしかして……」とか何とか言って。



「有明くんのこと、本気で好きになっちゃったとか?」



わけのわからないことを言ってきた。


「そっ、そんなわけないでしょ!?」


驚きのあまり、ガタンと大きな音を立てながら、あたしは勢い良く立ち上がり、大きな声を上げてしまった。