その日の最後の授業は、ホームルームで、席替えをすることになった。
なんだかんだ、学年が上がり、このクラスになってから3ヶ月が経っていたらしい。
面倒だから、別にこのまま出席番号順で1年間を過ごしてもいいと思うんだけど、クラス全員の人と関わってほしいからとかなんとか担任の先生は言っていた。
「じゃあ、順番にくじを引いてってくれ」
先生の指示により、みんながくじを引いていく。
黒板に書かれた席とその場所にあたる番号を、自分が引いたくじと照らし合わせて、喜んだり落胆したり。
あたしは、どこだろうと別に興味はない。
さすがに一番前だと、今日みたいに携帯はいじれないからちょっと嫌だけど。
「じゃあ、如月(きさらぎ)さん、引いて」
あたしの番がきた。
特に探ったりせず、最初に手にとったくじをそのまま引き上げる。
「朔乃ー、どこー?」
星奈に聞かれたので、ぴらっとくじを見せると。
「すげ!神席じゃん!」
“神席”とは。
窓際の一番後ろの、誰もが狙っている場所。
おー、なんとラッキーな。
「朔乃いいなぁー」とかなんとか言っている星奈に、あたしはガッツポーズをしてやった。