――四年後。
「お母さん、変じゃない!?」
お母さんの前で、身にまとったピンク色の袴をひらりと翻して一回転。
「うん。全然変じゃないよ。可愛い」
「ほんと!? 海星さんは!? ねぇ、どう!?」
「うん!すごく可愛いよ!」
お母さんと海星さんに太鼓判を押され、あたしはやっと満足して玄関へと向かう。
「あ、そうだ!お母さーん!海星さーん!」
あたしに呼ばれて、慌てた様子でお母さんと海星さんが玄関まで走ってきた。
「どうしたの?何か忘れ物?」
「うん!言い忘れたことがあって!」
不思議そうに顔を見合わせるお母さんと海星さん。
あたしは2人に、とびっきりの笑顔を見せた。
「結婚おめでとう!お母さん!お父さん!」
あたしの言葉を聞いた途端、お母さんは涙を流し、海星さんは「ありがとう」と言って、あたしを抱きしめた。