もう、覚悟はしてるから大丈夫って言ったのに、あたしのことなんて気遣わなくていいのに。


だって、あたしはこれで終わらないから。


「今は『ごめんなさい』でいいよ」


「ご、ごめん……なさい……」


陽の目から一筋の涙が流れた。


あたしのことを思って陽が泣いてくれている。
そう思うと、陽につられたのと今まで我慢していたということもあって、あたしの目からポロリと涙が落ちる。


確かに振られたけど、悲しいという感情はあまりない。


「うん。わかった。

でも、次にあたしがもう一度告白する時までに、陽を絶対にあたしに振り向かせて見せるから、覚悟しておいてね」


だって、あたしの恋はこれからだもん！


それまで俯いていた陽は、あたしの言葉に驚いたのかバッと顔をあげて、丸い目であたしを凝視。


「え？……え？覚悟？」


陽のその顔があまりにも面白くて、あたしはつい笑ってしまった。