先生による最後のホームルームが終わると、皆で集合写真を撮り、そのあとは外に出て他のクラスの人達とも会って別れを惜しんだ。


パラパラと校門をくぐり、一人また一人と帰って行く人が出始めた中、あたしは再び教室へと戻る。


誰も居なくなり、ガランとしている教室には、あたしとの約束を守った陽がいた。


「陽!ごめんね、お待たせ」


「いいえ、大丈夫です」


あたしに気付いて振り返った陽の顔は、窓からの逆光のせいであまりよく見えない。


でも、少し泣いているような寂しそうな笑顔を浮かべているように見えた。


「陽……?大丈夫?」


「……ここから、皆の様子がよく見えるんです。ずっと眺めてたら、何だか皆の寂しい気持ちがうつっちゃったみたいで」


そう言いながら目頭を押さえる陽。


やっぱり、泣いていたんだ。


あたしまでもらい泣きしてしまいそうになるけど、我慢我慢。