これで、陽は委員会以外でも天川さんと会う日ができた。
しかも、毎週必ず。
そのうえ、誰にも邪魔されない朝の学校なんて、すごくロマンティックじゃん。
「うまくいけば、もっと距離を縮められるね」
「それはそうなんですけど……」
あたしが頑張れと背中を押すつもりでかけた言葉に、陽は煮え切らない返事をする。
「どうかしたの?」
「あ、いや……」
たぶん、あたしにその返事の理由を言おうとしてくれていた陽だったけど。
「おっはよー!朔乃ー!」
あたしを呼ぶ星奈や他の友達の声に、残念ながら阻まれてしまった。
「あ……おはよ、星奈。みんな」
陽の言葉の続きが気になるものの、星奈たちがあたしの席を取り囲んでしまい、これ以上話ができなくなってしまった。
「朝から仲良しね、お二人さん!」
友達のうちの一人が、あたしと陽を交互に見てニヤニヤとする。
「違うって。そんなんじゃないから、あたし達」
いつものように軽くあしらうと、ナイスタイミングで朝のホームルーム開始を知らせるチャイムが鳴り響いた。