「どういうこと……?」


何のことかさっぱりわからないあたしに、海星さんがまた目を細めて笑った。



「お母さんがそうやっていろんな人と付き合っていたのはね、朔乃ちゃんの新しいお父さんになってくれる人を早く見つけたかったからだったんだよ」



え……?あたしの……?


新しいお父さんを……あたしの為にずっと探していただけだってこと……?


あたしが最低の親だと思っていたこと全部が、あたしの為だったわけで、お母さんからあたしへの愛情で。


家に居なくてもお金だけは置いていってくれてたのだって、文化祭に来たのも、駅まであたしのあとをついてきた時も、全部全部……。


それを、あたしは。
それなのに、あたしは……!



『あんたは最低な母親だ!!』



ただ、あたしのことを想っていてくれてただけなのに。なんてひどいことを言ってしまったんだろう。



最低だったのは、あたしの方だった……。