嘘……そんな。
本当にそうなの?
だとしたら、お父さんと離婚してから家に帰ることが少なくなったのは、あたしを養う為に毎日毎日遅くまで働いていたからってこと?
それなのに、あたしってば勝手に勘違いして思い込んで……。
「だ、だったら何で言ってくれなかったの?」
「……仕事がない日は、いろんな男の人と遊んでいたことは事実だったからよ。何となく、朔乃がお母さんのことを恨んでいるのはわかっていたけど、それでもやめなかったのは自分だから」
あたしの問いに、お母さんが目を伏せて答える。
「でもね、朔乃ちゃん」
混乱するあたしを、海星さんの優しい声で呼びかける。
「海星くん」
「ダメだよ、如月さん。君たち親子は、少しすれ違いすぎですから」
海星さんが言おうとしていたことが何かわかっているのか、海星さんをたしなめるお母さん。
だけど、それを振り切る海星さん。