「来てくれてありがとう、朔乃ちゃん」


「い、いえ!」


海星さんの笑った顔は、お母さんのそれとよく似ていて、一瞬見とれてしまった。


好きな人同士がずっと一緒にいると似てくるって話を聞いたことがあるけど、まさしくこれなのかと感心するぐらい。


「じゃあ、せっかく来たんだし何か食べよっか」


お母さんの声で、まずは料理を頼むことにした。


料理を待つ間や、食べながら他愛もない話をする。もちろん海星さんとも。


海星さんは、あたしが思っていたよりもしっかりした人で、年下の割にはすごく落ち着いていて頼もしい。
海星さんの方がお母さん大好きっていう感じに見えてたけど、話を聞いていると、実際はお母さんの方が海星さんにベタ惚れだったんだとわかった。


「あ、如月さん。ここ、ソース付いてますよ」


「え!ホント?海星くん」


海星さんに言われ、お母さんが慌てて鏡をバッグから取り出す。