メガネの奥で光る瞳に優しく見つめられ、あたしの顔が熱くなる。


受験への緊張が、陽へのときめきに変わった。


「ど、どうしたの……」


あたしの問いかけで、やっと手を離してくれた陽は、今度はいたずらっ子な少年みたいな笑顔を見せた。


「いや、偉そうなこと言いましたけど、僕も結構緊張してて自信もあまりなかったので、朔乃先生からちょっぴりパワーをもらっちゃいました」


「すいません」なんて笑いながら謝る姿に、胸がさらに高鳴ってしまう。


「もう……じゃあ、またあとでね」


「はい!」


このまま陽と一緒にいたら、ドキドキしすぎて受験どころじゃなくなってしまいそうだったので、あたしは足早に教室の中へと駆け込んだ。


着席して、試験開始時刻まで待つ間、あたしは心の中で決意した。


受験が無事に終わって、もし合格していたら、そしたらその時は……。



陽に、好きだって言う。
あたしの気持ち、全部伝える。


全部、全部……目一杯!