ガッツポーズをしてみせるあたしに続き、陽も拳を突き上げる。


そうして、あたし達は試験を受ける教室まで向かった。


誰がどの教室で試験を受けるかは受験番号によってあらかじめ振り分けられており、受験番号が離れていたあたしと陽は別々の教室で受けることになっている。


「じゃあ、ここで一旦バイバイだね」


「はい。お互い頑張りましょう」


今まで2人で一緒に頑張ってきたけど、ここからは各々の戦いだ。


ドキドキとうるさい心臓をなんとかじませて、あたしは陽に笑顔を向けた。


「陽。絶対、一緒にこの大学に来ようね。約束だよ」


「もちろんです。約束破ったら針千本です」


どちらからともなく、小指を差し出し、指切りを交わす。


手を離そうとした時、陽がまるで名残惜しそうに指を絡めるようにしてあたしの手を握ってきて。


「陽っ……?」


驚くあたしに大人びた笑顔を浮かべる陽。