雪が降っていたにも関わらず、電車が停まるなどの大きなトラブルはなく、無事に会場へ到着。


携帯を開いて時間を確認しようとした時。


【フレー!フレー!さーくーのー!】


という、可愛らしい絵文字と共に星奈からの応援メールを受け、あたしの緊張も少し和らぐ。


ありがとう、星奈。


頬を緩ませながらお礼のメールを送ると、後ろから「朔乃先生!」とあたしを呼ぶ声がした。


「陽!」


「おはようございます」


「おはよう」


笑顔で挨拶を返し、一緒に会場の中へと足を踏み入れた。


先に来ている高校生たちは、各々勉強していたり、同じ学校の人同士で話していて、高校の定期テスト中の様子とたいして変わらない。


だけど、全体の雰囲気というか、空気感はやっぱり違っていて、ただならぬ緊張感が漂っている。


そんな中、心なしかあたしのほうに視線が集まっているような気がするんだけど……。