そして、予想通りすぎて頭を抱えた。
「お母さん……これ……」
「“受験に勝つ!”で、カツ丼よ!」
朝食と呼ぶには重たすぎる大きなとんかつが、大盛りのご飯の上に君臨している。
なんてことだ。このご時世にまだこんな古いことをしてくる人がいたとは……!
「どうしたの、朔乃?」
「いや……」
具合でも悪いのかと心配そうなお母さん。
朝からこんなには正直食べられないけど、お母さんの気持ちは嬉しいし、何より朝起きて手作りの朝ごはんが並べられていることに感動した。
「たんぱく質豊富すぎて、絶対勝てるような気がしてきたー!」
なんて、訳のわからないことを言いながら一口パクリ。
美味しい。お母さんって、こんなに美味しい料理を作る人だったっけ。
そんなことを思うと、なんだか涙が出そうになった。
「美味しい!」
「そう?よかった!」
お母さんが、ホッとしたように微笑んだ。