それから、言葉を選びながらぽつぽつと、あたしの話に応えてくれた。


「確かに、有明くんの邪魔をした朔乃は悪い。でも、それは有明くんのことが好きだったら自然な行動だと思う。仕方ないよ」


「でも……」


「じゃあ、仮に私が朔乃と同じ状況だったとして、私が『自分のせいだ』って悩んでたら朔乃は私に何て言う？」


しばらく考えてみたけど、答えは、今星奈があたしに言った通り。“仕方ない”だ。


「朔乃は確かに有明くんの“先生”だったけど、朔乃だって恋する女の子だったんだよ。だから、自分を責めちゃダメ」


「星奈……」


星奈の言葉は、あたしがどれだけ陽のことを好きだったかを知っているからこそのものだった。


「それより、有明くんの誤解をとくことのほうが大事じゃないかな」


このままじゃ、あたしが陽の為にしてきたこと、それが全部無意味なものになってしまう。
そう話す星奈。