放課後。
泣いたせいで真っ赤になった目を、化粧でなんとかごまかして、あたしは星奈と一緒に買い物に出かけた。
いろんな洋服を見て、雑貨を見て、プリクラを撮って。
すごく楽しかった。
星奈のおかげで、この時間だけは、いろんなことを忘れられた。
「あー!このケーキ激うまっ!やっばい!」
今は、おしゃれな喫茶店でお茶をして一休み中。
苺のタルトを頬張り、幸せそうに目を閉じる星奈を見て、気持ちが和らぐのを感じた。
「ありがとね、星奈」
「ふぇ?」
あたしの言葉に、フォークをくわえたまま、星奈が不思議そうに間抜けな声を漏らす。
「あたしのこと、心配してくれてたんでしょ」
星奈にも、文化祭で何があったかは細かく話していない。
それなのに、何も聞かないで、ただあたしを元気づけようとしてくれていることが、本当に有難かった。