「それ以上言ったら……許さない……」
あたしが、今までどんな思いで陽を応援し続けていたのかなんて、きっとあたし本人じゃないとわかるはずもない。
でも、それでもそんな誤解だけはしてほしくない。
一度だって、恋にまっすぐな陽を笑ったことなんてない。むしろ、尊敬していた。
それなのに……それなのに……!
誤解されて、悲しいのか悔しいのか腹が立っているのか、よくわからないけど涙がこぼれた。
あたしはそれでも構うことなく、陽の目を見据え続けた。
でも、もうさっきまでの優しくてまっすぐな陽は、どこにもいない。
「……しばらく、ひとりにしてください……」
あたしを見つめ返してくれることはなく、陽は踵を返して歩いていく。
「僕の恋は終わったから、もう“先生”にならなくて大丈夫です。今まで付き合わせてしまってすみませんでした」
“如月さん”
そんな言葉を、身勝手に残して。