毎週木曜日に行っているという美化委員の朝掃除。
委員会自体は月に一回ほどあるかないかだけど、もし朝掃除を天川さんと一緒にやることになったら、週1で彼女に会えることになる。
朝掃除をする日は、早めに学校に来るらしいから、静かな朝の学校で仲良くふたりでお喋りなんてできたら、なかなかいい雰囲気になれるんじゃないだろうか。
「おお……!確かに!確かにそうですね!」
あたしの提案に、有明陽はメガネの奥の丸い目をさらに見開かせてキラキラと輝かせる。
「ね!話す機会が増えれば、距離も縮まるはずだよ」
あたしが笑ってそう言えば、有明陽はぶんぶんと首を縦に振って。
「さすが如月先生です!」
満面の笑みを浮かべた有明陽。
その笑顔があまりにもまぶしくて……。
「? どうしたんですか、如月先生?」
「な、なんか……直視できなくて……」
あたしは思わず目を瞑ってしまった。
あんなに地味だったはずの有明陽が、びっくりするほどの輝きを放っていたような気がする。