「ねー、俺と付き合わない?」
「遠慮しておきます」
「え〜!」
久しぶりだな、こんなふうに絡まれるの。
そんなことを冷静に思いながら、軽くあしらうと、慌てた様子で大宙くんがこっちに戻ってきた。
「お前!やめろよ、迷惑だろ!」
「いいじゃん、別にー」
「ごめんな、如月。やっぱ、お化け屋敷はまたあとでにする」
大宙くんは申し訳なさそうに頭を下げ、友達の首根っこを掴むと、半ばずるずると引きずるようにして歩いて行ってしまった。まあ、おかげで助かったけど。
――ガラッ。
大宙くん達が去り、また受付に戻ろうかと思った時、教室のドアが開いて、フランケンシュタインのようなメイクを施した陽が出てきた。
「今さっき、大宙くん来てませんでしたか!? 危険なライバルの気配を感じたのですが!!」
「い、いたはいたけど……よくわかったね」