「当日は、雰囲気出すために受付と宣伝の人達もお化けメイクするからね!」


「朔乃のメイクは私に任せて」と、得意げに胸を張る星奈。あたしも「よろしく!」と笑顔で返す。


そのあたしの笑顔を見て、星奈はふっと顔を和らげ、安心したように息をついた。


「今日、初めて笑った顔見た」


「え?そうだっけ?」


「うん。せっかくもうすぐ文化祭だっていうのに、ここ最近の朔乃はずっと浮かない顔だよ」


「……ごめん」


自覚はなかったけど、暗い気持ちがいつの間にか表に出てしまっていたんだ。


星奈には、陽が文化祭中に天川さんに告白することを話していて、だからきっと、あたしが落ち込んでいる理由もわかっている。


だからといって、心配かけちゃいけないよね。


「ごめんね、あたしは大丈夫だよ」


「謝らなくていいって」


星奈は、あたしの肩にポンと手を置いた。