あたしは見事に落ちてしまったわけで。


でも、こんなあたしでも誰かを本気で好きになれるんだと、陽は解らせてくれた。


感謝してるの。だから、最後まで応援しよう。


うん、そうしなくちゃいけない。
例え結果が見えていたとしても、陽の恋はまだ終わっていないんだから、見届けなくちゃ。


「確かに自分でも馬鹿だと思うけど、でも……いいの!」


あたしは、心からの笑顔を大宙くんに向ける。


あの控えめだった陽が、ずっと好きだった人に告白できた、ということが大事だ。伝えることに意味がある。


そのことを陽に教える為に、天川さんが大宙くんを好きだとか、そんなことは伝えずに、あたしは背中を押そう。



“先生”として。



「……はは、何だよそれ、
かっこよすぎんだろ……」



大宙くんは、今にも泣いてしまいそうなぐらい顔をくしゃくしゃに歪めて、それでもあたしの気持ちを汲んでか、精一杯微笑んでくれていた。