「すみません、ノープランです!」
なんじゃそりゃ!
――ガクッ。
マンガでいうなら、そんな効果音が、今あたしの背景に浮かんだ。
「あんなにやる気満々だったのに!?」
「すみません~!」
あたしに叱られ、陽が身を小さくする。
もう、しょうがないなぁ……。
「じゃあ、映画デートのリベンジということで、まずは天川さんに『一緒に回りましょう』って誘いなさい!そのどこかで告白すればいいんじゃない?」
「そ、そうですね!じゃあ、さっそくお誘いのメールを送ります!」
陽はすぐに携帯を取り出し、カチカチと打ち始める。
なんだか、成長したなぁ、陽。
今までだったら、メールをするのでさえ緊張してしぶっていたのに。
それほど、天川さんに対して本気なんだな。
しばらくして、パタンと携帯を閉じた陽が、晴れやかな顔をこちらに向けてきた。