そして、その日の放課後。
あたしの向かい側に座るのは、ノートとペンを持つ陽。
夏休みで1ヶ月も会わなかったから、こうして2人きりの教室に向かい合うのは久しぶりで、なんだか小恥ずかしい。
「えー、こほん。じゃあ、まずは文化祭中のいつどこでどのタイミングでどのシチュエーションで告白するかを決めようか」
「はい!」
「何かプランはあるの?」
あたしが聞くと、陽はしばらくうーんと顎に手を添えて考える。
もしOKをもらえるという確信があるなら、なるべく早めに告白して、そのあとの文化祭を一緒に回ったり、後夜祭のダンスを一緒に踊ったり、ということができるんだけど。
振られることがわかっているのに、さすがに、あたしからはそんなふうに提案はできない。
とりあえず、陽の好きなようにさせてあげよう。
そう思ったのだけど。