だから、あたしはこんなことしか言えない。


「い、いいわよ別に!それより、大宙くんだけど、ぼやっとしてたらほんとに天川さん取られかねないんだから頑張んなさいよ!」


「はい。負ける気はしません!僕には最強の恋愛の“先生”がいますから!」


「……自分の力でも頑張りなよ、まあいいけど」


あたしの言葉に、陽は「もちろん」と頷く。


「でも、ヨーヨー対決は勝てたし、天川さんの浴衣姿もきちんと褒めてあげてたし、今日の陽はなかなか高得点だったよ」


「わぁ、ほんとですか!ありがとうございます!」


あたしも出会えて嬉しいよ、陽。


なんて、言ってしまうと想いが溢れて止まらなくなるから伝えられなくて、並んで花火を見てても悲しいのだけど。



“朔乃先生と出会えたから”



思い出すだけで、自然と笑顔になる。


自分の恋心に正直にはなれなかったけど、そう言ってもらえただけで、あたしには充分だったから。