「天川さんと最初に会ったのは……、去年、僕が美化委員になって初めての委員会の時でした」
有明陽が務める美化委員というのは、学校の美化活動に携わる委員会のこと。
それまで1年生の時は図書委員だった有明陽だけど、2年生では希望者がいた為に美化委員となってしまったらしい。
でも……そこで、天川さんという、有明陽にとっての運命の人と出会ったというわけだ。
「そこで、一目惚れしたの?」
「……はい」
あたしの問いに、有明陽は顔を赤く染めて静かに頷いた。
天川さんは可愛いから、一目惚れしてしまうのも仕方ないことだと思う。
「彼女は、僕みたいな地味な人間にも気さくに話しかけてくれて。それで、僕のつまらない話に、“面白いね、有明くん”って、笑ってくれたんです……」
なるほどねぇ。そりゃ、好きになりますわ。
有明陽が面白いというのはあたしも見ててよくわかる。それを可愛くてモテモテの女の子に褒められれば、誰だって舞い上がってしまうに違いない。