「ああぁぁーーーっ!!!」


ぼとん、と釣りかけていたヨーヨーが、再び水の張ったビニールプールの中へと落ちる。


対して陽は、4つ目のヨーヨーを見事に釣り上げ。


つまり、陽の勝利。


「くっそー俺としたことが……!」


「というか、結局これは何の勝負だったんですか?」


陽ってば、何を懸けているのかわかっていないまま闘っていたのか……。


悔しそうな大宙くんは対照的に、陽はあっけらかんとしている。


天川さんも大概だけど、陽も負けないくらいの鈍さであたしが呆れていると、大宙くんのもとに2人の男子がやってきた。


「大宙!てめーどこほっつき歩いてたんだよ!」


「花火始まっちまうだろ!早く行くぞ!」


「えっ、ちょ、おい待てよ、俺はまだ有明に話が……」


男子はどうやら大宙くんの友達らしく、さっきの天川さんの友達みたいに、大宙くんのことを迎に来たらしい。