まあ、そんなことを思っても、当人同士は闘志を燃やしているので仕方ない。


「え〜と、じゃあ〜、ヨーヨーを多く釣ったほうが勝ちということで〜。よーい、ドーン〜」


やる気のない星奈の審判のもと、勝負の幕が切って落とされた。


「ったく、男子はほんとしょーもないことで真剣になれるよね〜」


勝負の行方を見守りながら言う星奈に、天川さんも苦笑を返す。


あたしも、確かにくだらないとは思いつつも、その勝負に懸けているものの重さは知っているつもりだから、真剣になる二人の気持ちがわからないでもなかった。


「待ってろ、天川。俺はお前の為にヨーヨーを釣る!」


「え?もしかしてくれるの?ありがとう」


違う!


天川さんと大宙くんのやり取りに、あたしは思わず心の中で突っ込んでしまった。