「ねぇ、天川さんのこと、いつから好きなの?好きになったきっかけは?」


ふと、そんな質問が思い浮かんで、そのまま訊ねてみた。


すると、有明陽は、またもや頬を赤く染める。
というか、たぶん彼は、天川さんの名前を出しただけで火照ってしまう性質を持っているんだと思う。


「そそそ、そんなこと、聞いて、ど、どうするんですか!?」


慌てふためく有明陽が可笑しくて、あたしは思わず「ふふふっ」と声を出して笑ってしまった。


「言ったでしょ。アドバイスするには、相手がどんな人物なのか知る必要があるって」


「うっ……」


得意げに言うと、困ったように目尻を下げ、しゅんとしてしまう有明陽。


「引き受けたからには、あたしもきちんと協力できるようにしておきたいからさ!」


「うぅっ……」


それっぽい理由を並べれば、また有明陽がうなった。


「三年生になってから出会ったの?それよりも前から?どこで?好きになったのはどうして?」


「わ、わかりました!話します!話すから、立て続けに質問するのは勘弁してください!」


どんどん身を乗り出しながら問い詰めてくるあたしに観念したのか、有明陽はあたしを両手で制してから語り始めた。