優しくしてくれるのは嬉しい。
嬉しいんだけど、あたしよりも天川さんと一緒のほうがよかったんじゃないのかな……なんて思ってしまう。
天川さんのことを言うか言わまいか……まだあたしの中で答えは出ていない。
罪悪感が心の中に広がった時、噂をすれば何とやら。
「あれ?有明くん?」
透き通るような声を耳にした時、たぶん陽より先にあたしのほうがドキッとしたに違いない。
「あ、天川さ……」
振り返ると、思った通りの人物がそこにいた。
いつもと違う彼女の雰囲気に、陽は言葉を失う。
「如月さんも、久しぶりだね」
天川さんは、あたしにも気さくに挨拶してくれたけど、あたしは苦笑いを返すことしかできなかった。
だって、だって……。
「? 有明くん、どうかした?」
「えっ!? いや、な、何でも……」