「じゃあ、こっからは自由行動にしまーす!8時から花火だから、それまでに皆あそこの神社に集合だからねー!」


星奈の指示に、皆が素直に返事をしたあと、各自好きなところへ向かっていった。


「陽はどうするの?」


「僕は……んー、綿あめ食べたいです」


「えー!高3にもなって綿あめー?」


「だ、ダメですか?」


あたしにからかわれて、少し頬を赤くして恥ずかしがる陽。


星奈があたしたちのもとに駆け寄ってきたところで、クラスのみんなの後を追うように賑わう人混みの中に飛び込んだ。


「お祭りなんて久しぶりだー!」


「ううっ……人酔いしそう……」


ワクワクする様子の星奈とは対照的に、あたしはあまりの人混みに顔を青くする。


手を口元に当てるあたしを、陽は時折気にかけてくれてて。


「気持ち悪くなったら言ってくださいね、朔乃先生」


「……ありがと」