「朔乃先生、志望校決まってよかったですね」


「あ……うん。陽のおかげだよ。ありがとね」


でも、進路の話から始まり、それに繋がり勉強のこと、陽が行ってた夏期講習の話とか、そこからあたしは夏休みどう過ごしてたのかとか。


陽と他愛ない話をしているうちに、あたしも大宙くんのこととか天川さんのこととか深く考えることなく、いつもの調子で返せるようになった。


それから、しばらくすると……。


「みんなー!着いたよー!」


先頭の方から、星奈の大きな声が聞こえてきた。


いつの間にか会場に着いていたらしい。


遠くから聞こえてくる盆踊りの音楽や、屋台が並ぶ道。それを照らすたくさんの提灯の明かり。


想像していたよりも大規模なお祭りだったので、自然と皆から歓声があがる。


「俺、たこ焼き食うー!」


「私、金魚すくいやりたーい!」


「俺は射的ー!」


様々な声が上がる中、星奈が手を叩いて皆の注目を集めた。