「そういえば、朔乃先生も星奈さんも、浴衣ですね」


「!!」


きた!と、あたしは反射的に背筋を正す。


そう、今日あたしはお祭りだということで、紺色に白い花模様の浴衣を着ている。


隣の水玉模様の浴衣姿の星奈に、「こういうとこでアピールするの!」と、着せてもらったのだ。


どうかな、変に浮いたりしてないかな。


ドキドキしながら感想を待っていると、陽は無邪気な笑顔で言ってくれた。



「とっても素敵ですよ」



それを聞いて、一気に顔を真っ赤にするあたしに、星奈は「よかったね」とでも言いたげな様子でにやついている。


あたしは素直に笑顔で頷いて、星奈に口パクで“ありがと”と伝えた。





そのあと、徐々に人が集まりだし、全員が集合できたのは5時を過ぎた頃。


星奈が先頭になり、さっそく、お祭り会場まで向かう道をぞろぞろと歩き出す。


自然と陽の隣を歩いていたあたしは、久しぶりに会ったせいか、学校とは違うシチュエーションだからか、妙にドキドキしていた。