「朔乃は“先生”として有明くんを応援しなきゃいけないかもしれないけど、私は“親友”として朔乃のことを応援したいの!」
星奈……。
すごく素敵なことを言ってくれてるのはわかってるけど、背中がすごく痛い。
背中をさすっていたのに気づいたのか、さっきまでかっこいいことを言っていたはずの星奈は、慌てて謝ってきた。
「とにかく、たまには自分の恋心に正直になってもいいんじゃない?」
自分の……陽を好きだという気持ちに、正直に……。
そっか。この前デートした時だって、あくまで陽の練習相手だったわけで、陽の心にはいつだって天川さんがいた。
どうせ学校が始まれば、また放課後の秘密授業が始まって、嫌でも陽と天川さんのことを考えなくてはいけない。
あたしだって、本音を言えば、自分の気持ちの赴くままに、アタックしていきたい。
だったら、夏休みぐらい……。
「わかった。あたしから誘うよ。ありがとう、星奈!」
「どういたしまして!」
決意を固め、あたしはさっそく星奈が見守る中、陽へお誘いメールを送った。