何それ。そんなのただの建前じゃん。
【別に大丈夫なんだけど。
ハヤト、したいだけなんでしょ】
【それもあるけど、心配なのは本当だよ】
うるさいなぁ。
男なんて、あたしみたいなチャラくて軽そうな女と付き合う理由は、ひとつに決まってる。
なんて返信しようかと考えている間に、ハヤトのほうからまたメールが来た。
【ていうかさ、俺たち明日で付き合ってもう3ヶ月になるんだよ?
それなのに、キスもそれ以上のこともダメってどういうわけ?】
【だから、付き合う時最初に言ったじゃん。】
カレカノという関係になる前に、あたしはきちんとハヤトに言っておいた。
『付き合うのはいいけど、キスからそれ以上のことは一切しないから』
それでもいいなら、と最初に言っておいたのに。
それでもいいから、と最初に言ってきたくせに。
これだから、男は。
【そうだけど。
それって、本当に俺たち付き合ってるって言えるのかな?】
ハヤトのメールに、あたしはこう返した。
【言えないんだったら、別れるしかないよね
はい、じゃあ、さようなら】
手を繋いで、抱きしめ合って、それだけでいいじゃないか。
何でそれ以上を求めるのか理解できない。
【最低だな、お前。
こんなやつだと思わなかったわ。
こっちから願い下げ。じゃあな】
たぶん、これで4人目。4回目の破局。
不吉な数字なだけに、歴代ではハヤトとは一番短かったような気がする。といっても他の3人も3ヶ月ちょっとぐらいで終わってるんだけど。
……あたしと、あたしのことをきちんと知る前に体の関係を迫ってくる奴と、一体どっちが“最低”なんだろうか。