あたしが自嘲気味に笑いながら言うと、星奈は少し悲しそうに微笑んで。
「朔乃って、見かけによらず実はほんとにいい子なんだよね……!」
わざとらしく大袈裟に言いながら、涙を拭う真似をした。
一言余計な気はするけど、星奈が本当に心配してくれていたことは充分に伝わってくる。
「ありがとう、星奈」
嬉しくてお礼を言うと、星奈は「え?何が?」と、心底不思議そうに目を丸くしていた。
「あ、そうだ朔乃。今度夏祭りがあるらしいんだけど、一緒に行かない?」
「夏祭り?」
あたしが首を傾げると、星奈は頷いた。
聞くところによると、近所で今年から夏祭りが行われるようになったらしく、屋台はもちろん、最後は花火も打ち上げられるんだとか。
「へぇー!楽しそう!行きたい!」
今年は海に行ったりとか、あまり夏らしいことをしていなかったから、ワクワクしてきた。