「つまりはさ、天川さんにはもう両想いの相手がいるわけだよね?そんなのもう有明くんに勝ち目ないじゃん」
「そうなんだけどさ……そんなはっきり言えるわけないじゃん」
バリボリとお菓子で出したポテトチップスをむさぼりながら、星奈は淡々と言う。
もう、他人事だと思って……。
「やっぱり、ちゃんと陽に言ってあげたほあがいいのかなぁ?」
「そりゃそうでしょ。言いにくいだろうけど」
確かにそうだと思うけど、天川さんと大宙くんは両想いだけど、お互いの気持ちをまだ知らない。付き合っているわけじゃないんだ。
だったら、陽の頑張り次第で、大宙くんと結ばれる前に振り向かせられる可能性もゼロというわけではない。
そう考えると、下手に余計なことを言って落ち込ませてしまうよりは、黙っておいてあげたほうがいいような気もする。
「うん、まあ確かに一理あるけどさ……」
あたしの考えに、星奈が苦笑した。