「いや、別に、そんなんじゃ……」


しどろもどろになっていると、スカートのポケットの中で携帯が震え、メールの着信を知らせた。


【大丈夫ですか?もしかして、志望校で悩んでるんですか?僕で良かったら、相談に乗りますよ】


まだあたしは返信していないのに、陽はあたしのことを気にかけるようなメールをくれた。


優しいな。こういうところを見ると、やっぱり好きだなぁって思ってしまう。


「好きな奴からか?」


あたしは自然と顔がほころんでしまっていたのだろうか、またもや大宙くんに言い当てられてしまった。


でも、もういいやと思って、あたしは素直に頷いた。「そうだよ」と。


すると、大宙くんはペンを机に置いて、両手を頭の後ろで組むようにして天井を見つめる。


「……俺も、考えたよ。天川のそばにいたいから、進学にしようかなって」


そう、話してくれた。