「先生、ちょっといいですか」
いい加減進路を決めなきゃ、と気合いを入れ直した時、進路指導室に突然別の先生が入ってきた。
その先生は、あたしの担任の先生に急な用事があるらしく、先生たちは職員室へ消えて行った。
「はぁ〜……もうほんとにどうしよ」
見張りがいなくなったのもあって、気が抜けたあたしは、大きなため息を共に机に突っ伏す。
決まらない。どの学校のパンフレットを読んでも、あまりピンと来ない。これといって惹かれる学校がないのだ。
「行きたい学校が見つからないなら、もう就職しちゃえばいいじゃん」
大宙くんは、履歴書を書く練習をしながら、あたしにそうアドバイスしてくれる。
でも、さすがに今から就活するのは遅すぎるし、就職する気にもならない。
「行きたい学校、か……」
ぼんやりとつぶやきながら、あたしの頭に陽の顔が浮かんだ。