将来どうしたいかとなくて、ぼんやりと生きているイメージが浮かばなくて。


だから、どういう学校に行きたいとか定まってなくて、それどころか自分がどのレベルなのかもきちんと把握してなくて。


そんな感じだと思っていたのに。


「大宙くんは、就職希望なんだね」


話が一段落した頃に、あたしが問う。


大宙くんは首を縦に振って、「早いうちから稼ぎたいんだ」と笑った。


すごいなぁ、やっぱりみんなこの時期にはもう決まっているんだ。自分がどうしたいか、何をしたいのか。


すごい……すごいなぁ。


あたしはまだ、スタート地点に立ててもいない。


自業自得なんだけど、なんだか置いていかれたような気分になる。


ダメだなぁ、あたし。こんなんじゃ。


……頑張らなきゃな。